チアノーゼと体温低下

麻酔から目を覚ました時に私が感じたのは、凍えるような寒さと下腹部への鋭い痛みでした。

寒さの方は、まるで真冬に布団をかけずに寝入ってしまって、目が覚めた時のような感じ。
痛みの方は、刃物で体の中を傷つけられたような感じ(手術を行ったので当然ですが)

痛みの場所は、慢性盲腸で苦しんでいた時とほぼ同じ。
痛みの「質」は鈍痛ではなく「キリキリ」という感じでしたが、痛みの発生箇所が下腹部で「何となく場所が分かりにくい」というのも共通しています。

目を開けてみると

目が覚めた時に喉に入っているものと思っていたチューブは、なぜか既に取り外されていました。

手術前の説明では、「呼びかける声に反応できることを確認してから、喉に挿したチューブを抜く」
ということでしたが、完全に目が覚める前に抜いてもらったのかもしれません。

人間はほとんど意識が無い状態でも「大丈夫」と答えたり、体を動かしたりすることがあるそうなので、私の場合もたぶん、無意識のうちに「大丈夫」というサインを出していたのでしょう。

視界がどんどん移動しているところを見ると、どうやら目をさましたのは移動中のストレッチャーの上らしい。

看護婦さんの、
「終わりましたよー。」
という明るい声が聞こえてきました。

目をかすかに開けると、ストレッチャーを移動してくれている看護婦さんと、うちのヨメが私の顔を覗き込んでいるのが目に入りました。

とりあえず安心させようと思い、手を上げて合図をした・・・つもりでした。
でも、あとでヨメに聞いた話によると、なぜか私は手を振って「バイバイ」の動作をしていたそうです(笑)。

青白い顔と紫色の爪

後で見た看護婦さんが私の体調をメモしていてくれた紙には、
「体温34.9℃」「チアノーゼ」
という言葉がありました。
ヨメいわく、私の顔色は極端に青白く、爪は紫色だったそうです。

体温34度台でチアノーゼに

これが手術直後に普通に起こる事なのかどうかはよく分かりません。

その後、看護婦さんに気分はどうですか?と聞かれたので、
「寒いです。」
「お腹が痛いです。」
と簡単に答えたことはよく憶えています。

そして部屋についた直後に体を電気毛布で暖めてもらい、体はすぐに温かくなりました。

お腹の痛みがひどかったのは、どうやら硬膜外麻酔(前の項目で書いた「アンビリカルケーブル」みたいなやつ)があんまり効いてなかったのが原因のようで、量を調節してもらったら数分でケロッと消え去りました。

こうして私は、慢性的に炎症を起こしていた盲腸(虫垂)とついに決別したのです。

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