おしっこが出ません
3本のチューブをつながれたまま、私はベッドでおとなしく回復を待っていました。
とりあえず手術した日の夕方、つまり手術から約半日後にはかなり体にも力が入るようになったので、チューブだらけのまま歩く事に挑戦してみようと思いました。
・・・が、ベッドの横に立ったところで断念。
熱は38度くらいしかないのに、どうもフラフラして体に力が入りません。
体力が落ちているのに無理やり体勢を変えたせいか、ちょっと吐き気もある感じ。
手術後の体力レベル
やはり、たかが盲腸の手術とはいっても、全身麻酔で眠らされて腸の一部を切っているわけですから、体には大きな負担がかかっていたんでしょう。
結局、何度か移動に挑戦して、やっと部屋の中を歩けるようになったのが手術当日の夜中くらいでした。
そして更に一晩。
手術から丸一日たったころには体力も回復してきて、お昼くらいにはかなり自由に歩き回れるようになりました。
外科病棟のなかを歩き、携帯電話OKの場所でメールを送信したり、お茶をくみに行ったり。
熱も37℃台前半にまで下がり、ついに背中からチューブでつながっている哺乳ビンと、尿道に挿したチューブを抜くことになりました。
おしっこが出ません
硬膜外麻酔を止めたら痛みが襲ってくるんじゃないかと心配していましたが、ラッキーなことに数時間たったも傷みは全くありません。
尿道のチューブの方も、若い看護婦さんが抜いてくれて(お分かりと思いますが「抜いてくれた」のはチューブです。念のため)恥ずかしかった以外には、痛みも無く問題無し。
しかし、一つだけ問題がありました。
それは、おしっこが出ないことです。
尿道のチューブを抜いた後に、
「できるだけたくさん水分を取って、自力でおしっこをして下さい」
と言われたんですが、水を飲んで膀胱におしっこが溜まった感じがしても、おしっこが出ないのです。
いや、正確には「出し方が分からない」
というべきでしょうか。
何と言うか、どこにどう力を込めれば放尿できるのかが分からない感じです。
だからトイレにこもったまま、お腹に力を入れたり抜いたりの繰り返し。
20分くらいかけてやっとこさすずめの涙程度のおしっこをする事に成功し、またベッドに戻ることになりました。
後で聞いた話によると、尿道にずっとチューブを通していると「尿を出す感覚」が奪われてしまうためにこのようなことになるんだそうです。
はじめはちょっと焦りましたが、何度も繰り返しトイレトレーニング(?)を行った結果、半日後には一人前におしっこが出来る体に戻ったのでした。
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